サンディエゴでいちばん好きな映画館Digital Gym
サンディエゴのNorth ParkにDigital Gym Cinemaがある。
インディーズや海外の映画を上映する非営利の映画館だ。
小さいながらも質の高いドキュメンタリー映画を見せてくれるので
何度か通ったことがあったけど、子どもが産まれてから足が遠のいていた。
自宅で楽しむバーチャルシアター
コロナが始まってDigital Gymは閉まったままだけど
「バーチャルシアター」というかたちで自宅で彼らの映画が楽しめるようになった。
ちょうど興味のある映画があったので見てみることにしました。
映画 The Infiltrators
2020年6月に公開されたアメリカの映画。
タイトルのThe Infiltratorsというのは「潜入者」という意味だ。
映画は、不当な国外追放を阻止することを目的に活動する不法移民の若者たち(Dreamers)が
自らわざとBorder Patrol(国境警備隊)に捕まって不法移民のDetention Center(拘置所)に入り
拘置所の外のメンバーと連絡をとりながら拘置人たちの国外追放を阻止する活動を始める・・・。
これ、実話だというからすごい。
かなり儲かる拘置所ビジネス
アメリカに存在する拘置所は公に運営されているものと
民間の運営会社と契約されているタイプと2種類がある。
民間の運営会社は複数あるが、Core CivicとGEO Groupが主要の2社。
拘置所ビジネスはかなり儲かるようで、トランプ就任以降だけでも
Core Civicは$331 million、GEO Groupは$480 millionの収益を上げている。
例えば、不法移民の拘置所も国境管理局(ICE)が契約しているもの。
この契約こそが、まさにこの巨大収益につながっているし
拘置人が半年から3年以上と人生の貴重な時間をムダにする原因になっている模様。恐ろしい。
ちなみに、この映画の収容人や職員はGEOの社名の入った身分証を胸につけてた。
拘置所運営会社の株主ボイコット運動
先ほど書いたとおり民間の拘置所運営会社は
収益を上げることを目的とした会社なので株主がいる。
で、その株主をボイコットしようという動きがあるらしい。
例えば、先ほど紹介したCore Civicの株主は以下の通り:
- ‘The Vanguard Group
- Fidelity
- State Street
- Blackrock
- Prudential Financial
- Wayfair (拘置所の家具を提供した結果、反対する社員547人が会社を辞めた。その後、同社は寄付をすることに決めたが移民とは無関係のAmerican Red Crossに寄付・・・。)
- Nakamoto Group (日系アメリカ人がオーナーの会社で、施設の検査をする契約を受けてるそう・・・)
もともとWayfairで家具とか買ったことも買う予定もなかったけど
これを知っちゃうとあの会社は・・・って思っちゃったりね。
不法移民についてどう思うか
すごい難しい問題ですよね。
わたし個人は社会人留学から学生ビザで始めて、就労ビザをなんとか取得、
その後もアメリカ人との結婚に頼らない方法でグリーンカードを取得した経緯がある。
そういう意味では滞在ステータスで苦労してきたし
正当な方法でステータスを築いたという自負があるから
不法移民が同じ権利を主張すると、正直複雑な気持ちがしなくもない。
でも、だからといって拘置所ビジネスの利益のために
不法移民が長期間ムダに拘置されるのは納税者としても納得いかないし
人権にも係わることだからこれでいいとは思わない。
しかも、不法移民の子どもとして渡ってきた人たちは
アメリカで育って、他の国にベースがないわけで
そういう人を国外に追放するというのは違う気がするし、
家族がバラバラになっちゃうのもツラいし。
映画に出てた人たちみたいに優秀な人たちもけっこういるみたいですもんね。
移民は強いよね。与えられて当たり前で文句ばかり言うのとは違う。
実力で勝負っていうかね。
ちゃんと自活した生活できて納税できたらいい、とかですかねー。
あなたは、どう思いますか??
映画 The Infiltrators 予告編(2分半)