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ビートルズ。イギリス・リバプール出身の4人が結成し、世界に熱狂の渦を生み出したバンド。時代を越えて支持される音楽性やメンバーの生き様からわたしたちが得られる学びとは何でしょう?77歳を迎えたビートルズのシンガー、ポールマッカートニーが世界で公演するFreshen Up Tourからの学びや感じたことを書いてみたいと思います。
ストーリーテリングでより意味のある一曲に
例えば、Love Me Do。ビートルズの名曲を本人が歌うだけでも十分にゴージャスなのだが、歌う前にこんなトークを切り出した。
「ずっと昔の話だけどね、リバプールからロンドンに下りて行って、偉大なプロデューサーのジョージマーティンに会いに行ったんだ。(観客拍手喝采)彼の前でLove Me Doを披露したら、例のハーモニカのタイミングは歌い終わるのを待たないほうがいいと言われて。そしたらいきなり(ハーモニカも担当の)ジョン(レノン)が「代わりにこの曲歌ってくれないか」って言ってきて。だから今でのあのレコードを聴くと「ラブミードゥーー」がどうも上擦って聴こえる。(←確かに上擦ってるように聴こえるので観客一同笑う)でも今日はもう上擦らないけどね!」
ビートルズが敏腕プロデューサーに評価され、世に大きく羽ばたくことになったきっかけとなったときのストーリーを話すことで、ビートルズの名曲の一つという認識だった曲が、ビートルズがモンスターになったきっかけとなった曲だという認識のもと、観客はより深くこの一曲を楽しめるように工夫されている。
人間の脳はストーリーに強く反応する性質があるので、ビジネスの場ではもちろん、コンサートでもストーリーを取り入れた導入は力になる。
相手の気持ちも汲んだうえで自分の道を表現する
コンサートでのポールのコメント。
君たち、分かりやすいよねぇ。ビートルズの曲の時には立ち上がって盛り上がって、そうでないときは座って。(実際そうだったので観客一同笑う)
But I don’t care, I still play my new songs! (観客さらに笑って新曲でも盛り上がる)
観客の大多数を占めるビートルズファンにとって、ポールがビートルズの曲を披露することは大事なこと。そんなファンの期待に応えるためにセットリストではビートルズの名曲をたくさんカバー。とはいえ、ポールにとってビートルズの名曲はすでに50年以上前の古い作品。77歳の彼は現在も新曲をリリースしていて(!)現在もアーティストとして表現し続けたい、多くの人に聴いてほしいという自分の道も素直に表現している姿が好印象だった。
新曲に込めた世の中に伝えたいメッセージ
そして新曲の一つではこのようなトークも。
観客のなかでいじめに遭ったことのある人、いじめをしたことのある人がいるかもしれない。(中略)いじめを経験した人は誰も自分のことなんか気にかけていないんだと感じるかもしれない。でも、僕は気にかけてるんだ。
アーティストとしてのメッセージを自分の作品に込めて発表する、演奏するというアウトプット。世の中で今苦しんでいる人たちに音楽という媒体を通じて繋がろう、救おう、癒そうとする姿勢には強いパワーが込められていた。
現役のビートルズを楽しんだ世代がいる一方で、生まれた頃にはビートルズが解散していたり、わたしの場合はジョンレノンが亡くなってしまったりという悲劇もあり、もちろんビートルズは好きだったけど世代もずれているし、やっぱりどこか遠い存在と感じるかもしれない。だけど本当に成功する多くのアーティストは、(成功する多くの実業家のように)自分のエゴをいなしながら、世の中のことや人のことを想いながら活動をしているのだ。
好きなことを仕事にしても、いろいろあっただろう
ポールは生き残る2人のビートルズメンバーの一人で、ティーネージャーの頃から音楽の世界で活動し、80歳を手前にした今でも音楽を通じた表現を続けている。ミュージシャンとしてこれだけの成功をすればさぞ幸せだろうと思う。その一方で、彼にも多くの苦悩があっただろうことも想像できた。
若くして母親を亡くしていること、メンバーとの軋轢、いつまで経っても「ビートルズのポール」として見られること、著作権をめぐる裁判や訴訟など、共感を示そうと思えるポイントは生きている長さの分ありえる。
それでもコンサートでは優しく軽いノリでトークをしたり、自分のこれまでの成功を支えてくれたジョージ・マーティンや、ジョンレノン、リンゴスターなどのメンバーのことをトークでポジティブにそして感謝を込めて紹介している姿に好感を覚えた観客も多かっただろうと想像する。
そんなアーティストから力をもらい、また生きていく
そんなことを思ったコンサートで感じたこと。それは直接的であれ間接的であれ、人間同士、インスピレーションを受け取ったり、自分の表現を発信したりして、パワーを交換し合う能力があるのだということ。そして、これからもポールがアーティストとしての活動を大切にしながらも、観客の気持ちも尊重するように、わたしも自分のブログやポッドキャストでの表現を続けながら、読者やリスナーの気持ちに寄り添えるコンテンツを提供していきたいと思いを新たにしている。そう、I care about youなのだ。
冒頭でご紹介したLove Me Doのトークはこちら。
コンサートで演奏された曲
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A Hard Day’s Night(The Beatles song)
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Junior’s Farm(Wings song)
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Can’t Buy Me Love(The Beatles song)
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Letting Go(Wings song)
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Who CaresGot to Get You Into My Life(The Beatles song)
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Come On to MeLet Me Roll It(Wings song)
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I’ve Got a Feeling(The Beatles song)
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Let ‘Em In(Wings song)
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My ValentineNineteen Hundred and Eighty-Five(Wings song)
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Maybe I’m Amazed
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I’ve Just Seen a Face(The Beatles song)
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In Spite of All the Danger(The Quarrymen song)
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From Me to You(The Beatles song)
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Dance Tonight
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Love Me Do(The Beatles song)
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Blackbird(The Beatles song)
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Here Today
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Queenie Eye
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Lady Madonna(The Beatles song)
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Eleanor Rigby(The Beatles song)
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Fuh You
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Being for the Benefit of Mr. Kite!(The Beatles song)
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Something(The Beatles song)
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Ob-La-Di, Ob-La-Da(The Beatles song)
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Band on the Run(Wings song)
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Back in the U.S.S.R.(The Beatles song)
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Let It Be(The Beatles song)
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Live and Let Die(Wings song)
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Hey Jude(The Beatles song)
- Encore:
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Birthday
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Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band (Reprise)(The Beatles song)
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Helter Skelter(The Beatles song)
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Golden Slumbers(The Beatles song)
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Carry That Weight(The Beatles song)
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The End(The Beatles song)
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