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おちこぼれ高校生が日本語翻訳者のアシスタントに
「高校の成績が悪すぎて大学進学できなかったんです。それで選択肢がいわゆる3Kの仕事に就くかミリタリーに入るかしかなかったんですよ。」笑いながらそう語るマット・ロペスさん。実は日本の商社やメーカーを渡り歩いた末に、総務省のコンサルタントとして国連会議にも参加した経歴の持ち主。そんな彼は現在シアトル在住、BRIDGE Activityというフレームワークを使ったキャリアコーチングを日本人学生や社会人に提供している。
そんなマットさんとの出会いはフェイスブック。留学コミュニティにひときわ元気なヤツがいるな、と思って話すようになった。英語・スペイン語・日本語を話すことや趣味でサルサを踊ることなどから、一度も会ったことはないけれどスカイプや電話で話を聞いたところ、面白そうなので彼の活動を広めるお手伝いがしたいと思った。(なので実は彼のことをよく知っているわけではないのですが、あしからず汗)
日本語を学び、日本に駐屯するきっかけとなったのは、ミリタリー在籍中に足を怪我したこと。「軍人寮で働くか、日本語通訳のお手伝いをするかのどちらかの選択肢しかなかったんです。それで必死で平仮名とカタカナを覚えてテストに臨みました。」無事に通訳補助の仕事を得たマットさんは通訳者のもとで漢字辞典で漢字を調べる仕事をしていたそう。
日本でキャリアを積む選択をし、政治家の家でホームスティ
除隊後、もう少し日本に残りたいと思い、英語教師として働きながら今は無きメリーランド大学の日本分校でビジネスを学んだ。
卒業後、日本でキャリアを積むことを選んだ。アメリカにいる友人たちはすでに社会人になっており、自分は遅れをとっていると感じていた。すぐアメリカに戻るのではなく日本で語学力を磨きながらグローバルキャリアを積むという道を選んだ。そんな折、英語教師をしていた際に出会った日本人男性から「うちでホームスティしないか」と思わぬ誘いをうけ、日本人の家庭で過ごすことになった。
ホストファーザーである「日本のお父さん」からは度々「最近新しい人に会ったか?」と確認され、仕事を見つけるためには人に会い話を聞くことをしつこいほどに勧められた。その甲斐あってか、伊藤忠商事の子会社に仕事が決まった。ところが1年でこの仕事を辞めてしまい、いわゆる「第2新卒」の状態となった。
2軒目のホストファミリーは政治家のお宅だった。ホストファーザーである議員のお父さんからの学びは大きかった。現在キャリアコーチングでフレームワークとして活用しているBRIDGE Activityは日本のお父さんたちから得た学びを体系化したものだという。学生であっても社会人でもあっても、自分が興味のある業界で働いている社会人に、どうアプローチしてどう接して、どう人間関係を作っていけば情報が得られるのか、自らの日本での転職活動をもって学んだ。「人と歴史を作りなさい」は政治家のお父さんが教えてくれた言葉だ。
学生と社会人の間にあるギャップを埋めるBRIDGE Activity
2000年にアメリカ帰国。NEC、au(KDDI)、総務省での仕事はいずれも人からの紹介など、いわゆる「ホットコンタクト」で実現した。一方で、会社にインターンとして来た日本人学生の指導をすることになるも、学生と社会人との間に、意識やコミュニケーションスキルの面で大きなギャップがあることを感じたマットさんは、そのギャップを埋めることに情熱を感じ、キャリアコーチとして留学中の日本人学生に社会人とのコミュニケーションの取り方や将来やりたいことを見つけるサポート役をかって出るようになった。
マットさんがコーチングで活用しているBRIDGE Activityとは、職務経験の乏しい学生でも業界関係者に的確な質問をし業界についての理解を社会人同等レベルに引き上げることで、面接などの場でうまく会話を運べるようになるため、リアルに就職に結びつけることを可能にするフレームワークだ。BRIDGE Activityの詳細は以下の通り。
B Brainstorm 社会人と学生とのギャップを埋める戦略を立てる。
R Role Play 自分が希望する業種について情報を集めるための準備・練習を行う。
I Information Interview 業界関係者から情報を得るためにアプローチして情報を集める。
D Develop これまで集めた情報をベースに知識を整理・系統立てる。
G Goal Set 業界において自分の強みがどう貢献できるのかビジョンを立てる。
E Experience 実際の面接で他を差をつけたアプローチが行える。
最近立ち上げたウェブサイトRyugakuSuccess.comでは、BRIDGE Activityのフレームワークをはじめとするキャリアに使えるスキルや知恵を無料動画で紹介しているほか、キャリアコーチングを受けた日本人たちが綴る体験談の数々を紹介し、学生たちが何を学び、何を達成したのかが一目でわかる仕組みとなっている。
もし「コネクション」とか「ネットワーク」と聞いて、なんだか胡散臭いもの、ズルいものというイメージを持っている人もいるかもしれない。実際のコネクションやネットワークは「人との歴史を作ること」。まずは人の役に立ち、惜しみなくGIVEすること。マットさんの教えを理解できれば、名刺交換会でどう立ち振る舞い何をすれば真のネットワークが得られるのか、知ることができるだろう。
マットさんの活動やBRIDGE Activityに興味のある方は、ぜひポッドキャストで詳細を聴いてくださいね。
最後に質問です。マットさんのストーリーからあなたが得た学びは、何でしたか?今回のような元気の出て役立つコンテンツを「自分らしく夢を叶えるメルマガ」ではお届けしています。自分らしく夢を叶えるために動き出している仲間にあなたも今すぐ加わりましょう。下のフォームからご登録ください。