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シリーズでお送りしている「自分に優しくしてもいいの?」の第3回です。
第1回 自分に優しくしてもいいの?(1)自分を甘やかすことにならない? はこちら
第2回 自分に優しくしてもいいの?(2)〜セルフ・コンパッションのすすめ はこちら
負の感情との付き合い方
みなさんは負の感情とどうつきあっていますか?
ネガティブな感情は悪いものとして捉え、ポジティブな感情をかぶせて押し殺そうとしていませんか?
負の感情は押し殺そうとすると、逆に跳ね返ってきてしまいます。セルフ・コンパッションの世界では、「苦しみ=痛みx抵抗」の数式で表現されるように、感じている痛みに対して抵抗すればするほど、苦しみは大きくなると考えられています。
自分に優しくすることは負の感情を少なくするのには役立ちますが、負の感情を消すために使うものではないことを覚えておいてください。
自分にかける優しい言葉
第2回のブログでは、負の感情に苛まれている自分に優しく接する方法として、感情を身体で感じて癒すエクササイズをご紹介しました。
今回は、自分にかける優しい言葉と、言葉を利用したエクササイズをご紹介していきます。
自分に優しくするセルフ・コンパッションは、体の筋肉を鍛えるのと同じで、1日ですぐに習得できるものではなく、エクササイズをしながら徐々にスキルを鍛えていくものと捉えてください。
それでは自分にかける言葉にはどんなものがあるでしょうか?
セルフ・コンパッションのエキスパートであるクリスティン・ネフが繰り返した言葉は次のようなものです。
今わたしは苦しみのなかにいます。
苦しみは人生の一部。
この瞬間、自分に優しくいられますように。
わたしに必要な共感を与えますように。
This is a moment of suffering.
Suffering is part of life.
May I be kind to myself in this moment.
May I give myself the compassion I need.
クリスティンのように、自分専用のマントラ(呪文のような言葉)を持つことも効果的です。
例えば、
今本当につらい瞬間を乗り越えようとしています。
今痛みを感じています。
わたしは優しさをもってこの痛みに向き合います。
できるだけ自分に優しく接します。
という具合です。
自分に優しいイメージトレーニング
最後にもう一つ、イメージトレーニングを取り入れたエクササイズをご紹介します。このエクササイズはポール・ギルバートという人のエクササイズをクリスティンが応用したものです。
1、静かな場所に心地よく座ります。そして安全な場所をイメージします。
イメージする場所は想像上の場所でもいいですし、現実の場所でもかまいません。
気持ちがリラックスして、平和になって、落ち着く場所です。そこは白い砂浜かもしれませんし、おばあちゃんの家のリビングかもしれません。その場所にあるものや色、においをリアルに想像してみてください。
2、理想的な優しい人を想像します。
知恵があって、強くて、暖かくて、すべてを受け入れてくれるような人を想像します。
人によっては神様を想像するかもしれませんし、過去に出会った人やペットをイメージするかもしれません。あるいはまったくの想像上の人物を想像するかもしれません。
3、今苦しい状況にある場合、理想的な優しい人がどんな言葉をかけてくれるのか想像してみます。
その人の声の質やトーンはどんな感じですか?どんな感情が伝わってきますか?
4、最後に自分に優しいイメージはおしまいにして、いくつか深呼吸をします。
自分に優しくするイメージを持ちたいときに、いつでも自由に想像して、優しさを受け取ることができることを理解します。
ぜひ次回、難しい状況に陥ったときに実践してみてください。
3回にわたってお送りしてきたセルフ・コンパッションのシリーズ、いかがでしたか?ぜひ実践してみて、感想をメールなどで教えてくださいね。