更新を見逃さないためにこちらから購読 Apple Podcasts | Google Podcasts | RSS
シリーズでお送りしている「自分に優しくしてもいいの」の第2回です。
第1回 自分に優しくしてもいいの? 自分を甘やかすことにならない?はこちら
セルフ・コンパッションのすすめ
前回のブログでは、わたしたちが日ごろ無意識に行っている他人との比較や自己批判はマインドにプラスに働くことはなく、むしろ気持ちの落ち込みやうつと深い関係があることをお話しました。
自己批判は親から受けた教育や文化的・社会的背景の結果、自分の身を守るためにプラスになることだと誤解され取り入れられていること、そして今、わたしたちがありのままの自分をポジティブに受け入れ、幸せを感じるために必要なのはセルフ・コンパッションなのです。
今回は自己批判という悪い習慣をよい習慣に置き換えるためのセルフ・コンパッションのメリットや、自分に優しくするマインドを生活に取り入れる方法についてお話していきます。
セルフ・コンパッションのメリット
セルフ・コンパッションは負の感情と向き合うのに力強い効果を発揮します。以下の2つは、科学的に証明されている自分に優しくすることのメリットです。
①自分に優しくできる人は、気持ちが安定していて落ち込みにくい耐性をもつ
②自分に優しくできる人は、不安や恐怖、イライラ、敵意、苦痛などのネガティブな感情を最小限に抑えることができる
セルフ・コンパッションを生活に取り入れる
セルフコンパッションを取り入れた思考やマインドの使い方は、実はこれまでのわたしのポッドキャストやブログのなかでも度々使われてきました。実際、セルフ・コンパッションを取り入れる方法には多種多様なテクニックがあります。今回はそのうちのひとつ、感情を身体で感じて癒すエクササイズをご紹介します。
感情を身体で感じて癒すエクササイズ
感情を身体で感じて癒すエクササイズは、自分が感じている苦しみを自己批判したり無視したりする代わりに、身体がどう反応しているかに意識を向け、暖かい気持ちをもって癒すことを目的としています。
負の感情に襲われたとき、次のエクササイズを行います。
1、まずは心地よい椅子に座るか、仰向けに横になります。
2、身体のどの部分で負の感情を感じているのか、探ります。
例:頭、心、のど、胃、など。
3、身体が感じている負の感情を言語化してみます
例:圧力を感じる、ヒリヒリする、硬直する、刺されたようだ、など。
4、あなたの身体が感じている苦痛に対して、親友に向けるような優しい言葉をかけてあげます。
例:「本当につらいね、痛いね」「大変な思いをしているね」など
5、負の感情の原因のほうに思考が向いてしまうときは、意識を身体のほうに向けなおしてエクササイズを繰り返します。
こうすることで湧いてくる感情をありのままに受け止め、受け止めている自分をポジティブに癒すことができます。これを行うことで身体が感じていたものにも変化が現れます。
感情を身体で感じて癒すエクササイズの実践例
最後にわたしが実際に負の感情を身体で感じるエクササイズを実践したときのことをお話しようと思います。
平日の夜、仕事のあとで2歳半の娘を迎えに行き、夕飯を作って食べた後のことです。20時を過ぎて娘をシャワーに入れることになりました。わたしはすでにくたくたでしたが、夫は仕事で指をケガしてしまったためにわたしが娘をシャワーに連れていくことになりました。
娘も疲れていてお風呂に入りたくないといってぐずっていました。シャワーの間もわんわん大泣きしていました。言うまでもなく、わたしの心は負の感情であふれてきました。
そのとき、このエクササイズを実践してみました。
まずシャワーに入っていたので横になることはできなかったのですが、まずは大きく深呼吸をして、自分が負の感情に襲われていることを認識しました。
次に身体のどこで負の感情を感じているのか、どんな反応をしているのか意識を向けてみました。
そのときのわたしは、体全体が石になったみたいに硬直していくのを感じました。脳みその回転も止まっていくのを感じました。目に疲労を感じました。
そしてそんな身体の変化を感じている自分に優しい言葉をかけました。
「今日一日フルに活動して疲れているのに大変だね。」
「娘も疲れているけれど、自分も疲れているよね。」
「本当にお疲れさま」
「子どもと接していたら誰にでも起こりうることだよ」などと自分に声をかけました。
そしてさささとシャワーを終えたあと、娘はすぐに寝ました。わたしは負のスパイラルに陥ることなく、娘が寝た後の夫との静かで平和な時間を過ごしました。
ぜひ次回、負の感情が湧いてきたときに実践してみてください。
次回はさらに自分に優しくする方法を生活に取り入れるエクササイズをご紹介します。どうぞお楽しみに。