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5年半付き合ったBKとのお別れ
2012年から乗っていた愛車に別れを告げた。アメリカでも寿命が長いと言われ、中古車でも高い価値で取引されるセダンタイプの日本車だ。色はメタリックブラックで美しかったから「美形」をもじってBKと呼んでいた。
特に調子が悪かったわけではない。むしろ故障とは無縁で燃費もよく、完璧に動いてくれていた。独身時代から結婚して子どもを設けるまで、嬉しかった時も苦しんだ時も常にそばにいてくれ、わたしの成長を見守って支えてくれた相棒だった。
人生のステージで移り変わるアイテムたち
わたしの妹はパーソナルスタイリストだ。元モー娘。メンバーなどの有名人も上客なのだが、一般の人のファッションのお手伝いもしている。
ある日、30代の一般女性から依頼を受け、ご自宅訪問をした。彼女は2人の子どもがいるママ。長かった育休が終わり、仕事に戻る段になり職場に着ていく服がないことに気づいて慌てて妹に連絡したらしい。
ご自宅訪問では手持ちの服で着回しできる服を確認し、新たに買い足すべきアイテムを明確にすることを目的としている。
そこで妹が見た服は、女子大生が着ていそうなタイプの服だったり、すでに毛玉がついて着古した感が伝わるものばかりだった。
お客様には30代の働く女性に相応しい服の手持ちがないことを説明し、「これからショッピング同行に行きましょう」とその場で提案した。
ショッピング同行を終えたお客様は、好みに合う上品ながらも「デキる女」風の服をたくさん選んでもらえて気分が上がり、復帰した職場でも同僚から毎日のように褒められるのが嬉しいと語ってくれたそうだ。
ものを大切にすることの本当の意味
一般的に日本人は環境問題に敏感で、ものを大切にする民族だと思う。一方で、ものがない戦争時代を経験した世代の影響なのか、ものを捨てずに取っておくことをものを大切にすることと混同してしまっている人も多いように思う。
ここ数年、断捨離という言葉が流行っている。不要なものを取っておくことにメスを入れるコンセプトだ。
断捨離とは不要なものはもちろん、不適(適切でないもの)・不快(心地よい気持ちを与えないもの)を家の中から取り除く習慣を続けることで、心地よい空間を生み出すことを意味している。
ある調査によると、わたしたちの持ち物の8割は持っていたという存在自体が忘れられたものだそう。ものとしても使われもしないのに置かれていては意味がない。
わたしの友人は「たとえ今日盲目になっても自分の持ち物がどこにあるか分かる」状態に常に保っているというツワモノもいる。
なりたい自分はどんなものに囲まれている?
断捨離をする際の基準は、今の自分に必要か、今の自分に適当か、そしてポジティブな気持ちを与えてくれるか、だ。
20代の頃の生活で大活躍してくれたアイテムは、今の自分のステージには相応しくなくなっているかもしれない。
これから3年後になりたい自分を考えた時、今自分が囲まれているものたちは、もしかすると相応しくないかもしれない。
冒頭の愛車BKの話に戻ると、人生のステージを上がったことによる生活スタイルの変化に伴い、たとえ故障なく動いてくれたとしても、少しわたしのニーズに合わなくなって来ていると感じていたのだ。
思い出の詰まったBKとの別れは胸に込み上げるものがあったが、新しくパートナーとなったドイツ生まれの白いSUVは高級感がありつつも斬新でアクティブな印象を与えてくれる。搭載された最新機能のおかげでこれまで無意識に感じていた不便さは解消され、自分らしいスタイルを実現するに一役買ってくれている。
あなたの周りを見回してみてください。囲まれているものは、あなたが必要なものですか?あなたにポジティブな気持ちを与えてくれていますか?人生のステージにふさわしいものに囲まれて暮らすためにもこの機会に断捨離できるものがないか、考えてみてくださいね。