自分のためにブログに読書記録しよう
先週末、ポッドキャストの収録でGinaちゃんと読書記録トーク。
私の場合、以前やってたように
読書ノートをブログにまとめておくことが
検索機能もあるし時系列で管理できるのでよいという気づきがあり
早速実践します。
全くの引用ではない部分もあり、
とにかく自分にとって大事な箇所を要約して最後にページ数を記載(p. 4とか)。
その後に自分の考えやアイデアを矢印(⇒)でメモ。
読書ノートを英語と日本語のどちらでまとめるのかをいつも迷っている。
なんなら洋書の読書ノートは英語ブログに書いたほうがいいんじゃないかと思うことさえある。
だけど、とりあえず直感的にここのブログに日英ごちゃまぜで
ノートを取ることがよいと判断したのでそれで進めます。
アダム・グラントのOriginals
今回はアダムグラントのオリジナルスという本。原書で読みました。
原題はOriginals How Non-Conformists move the world.
日本語でも『ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代』というタイトルで翻訳出版されてます。
が、やっぱりニュアンス違うよね。タイトルは売り上げにかかわるから直訳はありえんのやろうね。
アダム・グラントはWharton(ペンシルバニア大の有名MBA)で7年連続高評価を受けた組織心理学の学者。
TEDスピーカーでもある。彼のウェブサイトはこちら。
この人の本は2冊目(確かGive and Takeを読んだ)内容が詰まってる本で飽きない。
密度が高くて学習的要素の高い本。このブログはChapter 1と2についてのまとめ。
Chapter 1 Creative Destruction デフォルトを疑って、リスクバランスを取って、Originalsをめざそう
“The reasonable man adapts himself to the world; the unreasonable one persists in trying to adapt the world to himself. therefore all progress depends on the unreasonable man.” – George Bernard Shaw (p.1)
デフォルトをそのまま受け入れずにアレンジして楽しもう
世の中の3分の2の人はパソコンにデフォルトではいっているIEやサファリなどのブラウザーを利用する。一方で、FirefoxやChromeといったデフォルトではないインターネットブラウザーを利用する社員は、デフォルトのIEやサファリ利用の社員より15%仕事を辞めにくく、19%欠勤が少ないという実験結果。両者にはパソコンスキルでは差が出なかった。⇒FirefoxやChromeユーザーはブラウザー同様、仕事においてもマニュアルを受け入れるかわりにどんなに小さなことでもイニシアチブをとって臨機応変に仕事をアレンジする姿勢が仕事に表れていることが分かった。(P.4)
低所得者層は不当な状況でも現状を正当化して精神的苦痛を和らげようとする
ヨーロッパ系アメリカ人に比べてアフリカ系アメリカ人は自身の経済状況に満足していなかったが、経済的不平等は正当(legitimate)なものだとみているという調査結果。高所得者層に比べ低所得者層は17%も経済的不平等は必要不可欠(necessary)なものだとみていることが分かった。⇒不利な立場にあるグループ層は有利な立場にあるグループ層よりも現状維持(status quo)を維持したがる傾向にある。⇒例え自分の利益に反することになったとしても、デフォルトのシステムを正当視することで不利な立場にあるという精神的苦痛を和らげる。しかし、苦痛に慣れ親しむことは不平等と戦い、創造力を問題解決のために働かせることを遮るようになる。
オリジナリティを発揮するための方法
- オリジナリティの最大の特徴はデフォルトを否定してよりよいオプションを探ること。そのために①まず好奇心から始める。どうしてそのデフォルトが存在するのか問う。Deja vuの逆であるVuja de、つまり慣れ親しんでいるものをフレッシュな視点で見つめる、昔から存在する問題に新たな光を注ぐということ。(P.7)
- 神童は既存のものを練習し完璧に示すすることはできるけど、作曲したり発明することはできない。(p.9)
- Todd Lubart and Robert Steinberg “Once people pass an intermediate level in the need to achieve, there is evidence that they actually become less creative.”(p. 9)
- 起業や創造、人権活動とまではいかなくても、わたしたちは職場や学校、コミュニティをよりよいものにするためのアイデアというのは持っている。しかし、残念なことにそのアイデアを現実のものにするための行動を起こすことをためらう。FDAの何千人もの科学者のうち40%以上が安全への懸念を公に示すと報復にあうと危惧し、半数が職場で反対意見を言うのは安全ではないと感じている。コンサルティング・ファイナンス・メディア・広告・製薬系の社員のうち85パーセントが重要な懸念について声を上げずに黙っていると回答した。最近頭に浮かんだオリジナルなアイデアをあなたはどうしただろうか?アメリカは個人主義でユニークな自己表現の国であるにもかかわらず、完璧主義や失敗への恐怖で目立つことよりもなじむことに徹している。(p.13) ⇒わたしの場合、地球や自分が住む環境をきれいなものにしたいという思いから、時間のあるときにゴミ袋とトングを手に散歩にでかけてゴミを拾っている。Be the change you want to see。
起業とリスク
仕事を辞めて起業した人は自信たっぷりのリスクテイカーで、仕事を続けながら起業した人は比較的自信がなくリスクを嫌う傾向にある。仕事を続けながら起業した人は仕事を辞めて起業した人よりも33%失敗しにくいという研究結果。Fast Companyの最もイノベーティブな起業家のほとんどは起業した後も別の仕事をキープしていた。(p. 17) ⇒自信があればいいということではない。
起業しても仕事を続けていた人たちの例 (p. 18)
- Steve Wozniak (Apple) スティーブジョブズと1976年に起業したが、1977年までHPにエンジニアとして勤務。
- Larry Page (Google創設者)とSergey Brin 1996年にインターネット検索を爆発的に向上させたが1998年までスタンフォードの大学院生を続けた
- Brian May (Queenギタリスト)Queen結成から何年もの間、博士課程を継続。ようやく大学院を辞めてからWe Will Rock Youリリース。
- John Legend(グラミー賞アーティスト)ファーストアルバムを2000年に出したが、2002年まで経営コンサルタントとして働いた。
- Stephen King(スリラー作家)最初の作品を作ってからも7年間教師・清掃員・ガソリンスタンド勤務を続けた。
- Scott Adams(Dilbertの作者)最初のコミックが新聞掲載されても7年間Pacific Bellで勤務を続けた。
起業とリスクに関する研究結果・引用
- Innovative Theory of Risk by Clyde Coombs (Psychologist at University of Michigan): When we embrace danger in one domain, we offset our overall level of risk by exercising caution in another domain.
- Polaroid founder Edwin Land “No person could possibly be original in one area unless he were possessed of the emotional and social stability that comes from fixed attitudes in all areas other than the one in which he is being original.” (p. 19)
- 起業家は一般人よりもリスクを嫌う。20%の成功率がある5万ドルのビジネスよりも80%の成功率のある1.25万ドルのビジネスを好む。
- Malcolm Gladwell in the New Yorker, “Many entrepreneurs take plenty of risks- but those are generally the failed entrepreneurs, not the success stories.”
- To become original, you have to try something new, which means accepting some measure of risk. But the most successful originals are not the daredevils who leap before they look. (p. 23)
- … people who had little concern for pleasing others weren’t more likely to become entrepreneurs, nor did their firms perform any better. (We see the same pattern in politics)
- Originality is not a fixed trait(特性). It is a free choice. Lincoln wasn’t born with an original personality. Taking on controversy wans’t programmed into his DNA.; it was an act of conscious will.
グーグル社員向けの90分のワークショップで、仕事はデフォルトではなく調整できるものだと展開することで、これまでの仕事が新しいものに見えてきて、社員の幸福度やパフォーマンスが上がったという例。(p. 24)
この章ではオリジナルな人はデフォルトを疑問視してリスクバランスを取るという内容だったというまとめと、これから先の章ではアイデアと行動のギャップを埋めることについての内容をカバーするとの前置きでこの章はしめくくられていた。
Chapter 2 Blind Inventors and One-Eyed Investors 難しいのはアイデアを産むことよりも当てること
“Creativity is allowing yourself to make mistakes. Art is knowing which ones to keep.” – Scott Adams (p. 29)
成功を予想するスキル
わたしたちは新しいアイデアさえあれば・・・と考えがちだが、実際には「正しい」アイデアを選択することが大事な要素である。ある調査によると、2000人以上の人が新ビジネスや新製品を考えてたとき、87%は新しいアイデアであったことがわかった。難しいのは新しいアイデアを生み出すことよりも、新しいアイデアの成功を予想するセンスなのだ。
False Positive:当たると思ったけど当たらなかったアイデア
例:セグウェイ
False Negative:当たらないと思ったら当たったアイデア
例:NBCコメディのSeinfeld、
企業革新は中間管理職によりつぶされてきた
シルク・ド・ソレイユの研究ではパフォーマー本人やマネージャーには新しい作品の成功を予想するセンスは乏しかったが、同僚のパフォーマーにはそのセンスがあることがわかった。
自信を持ちすぎることも自分のアイデアに囚われて他人のフィードバックを重要視しなくなるため、成功を予想することを難しくする要因。
企業革新は中間管理職によりつぶされてきた。(p. 40)
多くの人に愛される作品を生み出すためには何が必要か?
オリジナルな人は自分のアイデアの質を判断する力に乏しい。そしたらどうすれば高品質なものを生み出すことができるのだろうか?
- シェークスピア:37の劇と154のソネットを創った。マクベス、リア王、オセロなどを生み出した5年間の間には比較的普通、もしくはあまり評価されていない作品も数多く生み出している。
- モーツァルトは35歳で亡くなるまでに作曲した曲数:600曲。
- ベートーベンは生涯で650曲作曲した。
- バッハは1000曲以上作曲した。
- ピカソは1800の絵画、1200の彫刻、2800のセラミック、12000の描画を生み出した。
- マヤ・アンジェロウ:”Still I Rise”という詩が有名だが、他にも165の詩を書いている。”I Know Why the Caged Bird Singsというエッセイは有名だが、その他にも6つの自伝を書いている。⇒Maya Angelouは好きな作家さん。もっとたくさん作品を読んでみたい。
- アインシュタインは相対性理論を発表したが、その他にも248の出版物を出している。(p.36)
Ira Glass, the producer of This American Life and the podcast Serial
“The most important possible thing you could do is do a lot of work. Do a huge volume of work.” (p. 37)
よいコンテンツをヒットし続けるUpworthyでは少なくとも25個のヘッドラインを考えることが求められている。例外を除いて、わたしたちが最初に生み出すアイデアは普通のもの(デフォルトに近い)。
“Once you start getting desperate, you start thinking outside the box.” Upworthy team (p. 38)
”You gotta kiss a lot of flogs before you find a prince.” Dean Kamen the inventor of Segway and 440 other patents
When she thinks of a joke, The Daily Show cocreator Lizz Winstead tweets it; when she comes up with a longer bit, she posts it on Facebook. When she receives at least twenty-five retweets in less than a minute, or a high number of Facebook shares, she saves the idea. “Twitter and Facebook have tremendously helped me decidde what people care about.”
ヒットを産みだすには大量生産することが大事。まぁまぁな作品も生まれるけれどその中に良質な作品も生まれてくる。
経験は諸刃の剣 経験が仇になることも
テレビ番組に関してもマネージャーは新しい企画の成功を当てるのは得意ではない。視聴者もリビングでテレビを見ているときは楽しいんだり声を出して笑ったりしても、フォーカスグループでの聞き取り調査では企画の悪い点をあげつらうようになる。(p. 41)
新しいアイデアを最初の6分間、マネージャーとして捉えるグループとクリエーターとして捉えるグループがいた場合、それぞれ51%と77%の割合で使えるアイデアを選ぶことができた。
If you’re gonna make connections which are innovative, you have to not have the same bag of experience as everyone else does” Steve Jobs 1982 (p. 45)
Seinfeldのヒットを当てたマネージャーはコメディの経験はなく、スペシャル番組の経験が主だった。(p.45)経験は諸刃の剣。
- アダム・グラントがオンラインめがね販売メーカーWarby Parkerの成功が読めなかったのは、眼鏡を使った経験がないことと従来のめがね屋さんの研究とコンサルティングを2年間行ったこと。(p. 57)
- We shouldn’t look at whether people have been successful. We need to track how they’ve been successful. (p. 56)
- Warby ParkerはWarblesというプログラムを立ち上げ、社員が提案や要求をいつでも提出できる仕組みをつくった。提案はグーグルドキュメントで社員全員が閲覧でき、ネット上でコメントしたり隔週ミーティングで発言したりできた。Meritocratic(実力主義)な仕組み。(p. 59)
アートや海外経験が創造力を引き起こす
ミシガン州立大学の研究によると、ノーベル賞科学者は一般の科学者よりも以下の芸術的趣味を楽しんでいるケースが数倍の確率で多いことが分かった。
- 音楽(楽器演奏、作曲、指揮):2倍
- アート(描画、絵画、彫刻):7倍
- 作(木工、機械、電子、ガラス工芸):7.5倍
- 書くこと(詩、劇、小説、短編、エッセイ、本):12倍
- 演劇(アマチュア芝居、ダンス、マジック):22倍
また似たような結果が起業家や発明家にも言えることが分かった。芸術への興味は好奇心や、オープンでいること、そして新しいものや多様性を求める個性を示す。
クリエイティブな大人は子どもの頃に他の街への引っ越しの経験をしている傾向にあることが分かった。世界の著名デザイナーについて調べたところ、海外経験はただ住んでいるよりは実際にデザインに触れたなど働いていることが影響を及ぼすようだ。さらに、アメリカからカナダではなく、アメリカから日本や韓国といったような自文化とは大きく異なる場所での経験が創造力に繋がるとした。また海外経験は長いほどよい影響力を出すことが分かった。
直感は専門分野において発揮される
- スティーブジョブズがセグウェイが爆発的に売れると勘違いしたのは、彼が乗り物の専門家ではなかったからだ。物珍しさに目をくらませてしまったのが要因。
- As Nobel Prize-winning psychologist Daniel Kahneman and decision expert Gary Klein explain, intuitions are only trustworthy when people build up experience making judgments in a predictable environment.
- Kahneman and Klein review evidence that experience helps physicists, accountants, insurance analysts, and chess masters – they all work in fields where cause-and-effect relationships are fairly consistent. But admissions officers, court judges, intelligence analysts, psychiatrists, and stockbrokers didn’t benefit from experience. (p. 53)
- As Daniel Kahneman explains in Thinking, Fast and Slow, intuition operates rapidly, based on hot emotions, whereas reason is a slower, cooler process. Intuitive investors are susceptible to getting caught up in an entrepreneur;s enthusiasm: analytical investors are more likely to focus on the facts and make cold judgments about the viability of the business. (p. 55)
- The passion to see an idea to fruition isn’t visible in the emotion people express. (p. 55)
- セグウェイ発明者のDean Kamenは本来の医療分野で、兵士や(腕を)切断された人(amputee)がぶどうをつまめる最新技術搭載の本物そっくり(prosthetic)の腕を発明した。