最新ビジネス書の要約が読める月刊誌「TOPPOINT」。
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5月に選んだ要約記事は以下10冊。
書籍紹介はTOPPOINTライブラリーより引用、
→印は個人の読書メモです。
「オープン・イノベーションの教科書」
かつて「Japan as Number One」と評された日本の製造業も今や、苦戦を強いられている。そんな中、注目したいのが、必要に応じて外部の知見を活かす「オープン・イノベーション」だ。フィリップス、P&Gを筆頭に、国内外の企業が導入し、成果を上げつつある。この新たな研究開発の手法について、“教科書”の名の通り、定義から具体的な活用法まで詳しく紹介。
→先月読んだ本で知った「オープンイノベーション」が具体例を含めて紹介されていて、これこそ日本のモノづくりが生き残る道の一つと感じた。そのためにも社外の情報を取り込む力が求められていると思う。
「今治タオル 奇跡の復活」(佐藤可士和 著)
今や全国的に知られるブランド、今治タオル。だが、かつては輸入品に押され、生産数量が激減、存亡の危機にあった。それを乗り越え、復活するカギとなったのが、著者・佐藤可士和氏の主導の下で行われたブランド戦略だ。その詳細を解説。本質的価値の見極め、ロゴマークの扱い…。復活への歩みは、衰退した産地・企業が再生する上で、良きヒントとなるだろう。
→以前から気になっていた佐藤可士和氏が手がけた、四国タオル工業組合のタオルブランド復活ものがたりを通じて学ぶブランディング。
「ブランド論」の第一人者として知られる、デービッド・アーカー。本書は、氏の代表作『ブランド・エクイティ戦略』をはじめ、過去に発表されたブランディングの考え方と実践方法を、コンパクトにまとめた“決定版”だ。ブランドを築く際に不可欠なもの、ブランド構築の着想をどこから得るか…。ブランディングの基本原則が、具体的にわかりやすく説かれる。
→「ブランドビジョン」、ブランドに人間的特徴を持たせる「ブランドパーソナリティ」、「情緒的便益」、「マストハブ」などのブランド構築のポイントと組み立て方を解説。自分のビジネスにも早速応用してみようと思う。
人を思うように動かすには?女が男ほど稼げないのはなぜ?『フォーブス』誌の「世界で最も力のある経済学者」に選ばれた2人の著者が、“実地実験”という手法を用いて、人をやる気にさせるもの、インセンティヴに対する人の反応を解き明かす。近頃はやりのビッグデータより、実地実験を使って因果関係を考える方が、意思決定の奥深くにまで迫れるという。
→経済学がどの部分で絡んでいるのか分からなかったが、女性が男性ほど稼げない理由を母系社会の実験を交えての解説、ワインの価格設定の実例が面白かった。
「グロース・ハッカー」(原題:Growth Hacker Marketing)
ツイッターやホットメール、グルーポン等、急成長を遂げた企業には「グロースハッカー」と呼ばれる人々がいる。彼らは、派手な広告を打つ従来のマーケティングとは全く異なる方法で、サービス、会社を劇的に成長させる。しかも最小限の資金で。わずか数年で、数千万、数億のユーザーを獲得する、この“新世代”のマーケターの考え方、具体的な手法を紹介する。
→電子メール、ブログなど検証・追跡・測定が可能なものだけを用い、ユーザーがユーザーを引き込む連鎖反応を生じさせるマーケティング。個人的には統計マーケティングよりもこの手のマーケティングを信じているので興味深かった。
「ホスピタリティ」は、単なる“おもてなしの心”にあらず。著者によれば、互いの立場の違いを認め、相互発展を遂げるのが本来の概念で、様々な業種・業界に適用可能だ。成果主義の導入などで職場がギスギスしがちな昨今、健全な職場環境をつくる上で欠かせない概念といえる。本書では、ホスピタリティの正しい考え方、経営への活かし方を、事例を交え紹介する。
→理論的内容が多くピンと来ない部分もあったが、要するに今の閉塞的な日本から脱出して成功を収めるには、人間的ホスピタリティを確保した上での利益追求が求められている、ということと理解。コンコルドは機能的発展が必ずしも成功を導かない好例。
「脳科学がビジネスを変える ニューロイノベーションの挑戦」
近年、脳科学が進歩し、無意識下の意思決定や行動等、これまで明確でなかった脳の働きが明らかになってきた。こうした中、様々な企業が脳科学の研究に取り組み、その成果を活用しつつある。マーケティング、組織設計、グローバル化…。企業活動に脳科学をどう組み込めば成功につながるか、興味深い事例も交えつつ、ビジネスの視点から脳科学の知見を紹介する。
→人間の脳は人、男女、人種、職業によって異なる!アンケート意識調査(5%)をとる伝統的マーケティングよりも脳科学・心理学で無意識を知る(95%)のほうが重要、に納得。バイリンガルの香港人は英語と中国語でアンケートの回答が異なるのは興味深い。日本人は悲観的、欧米人は楽観的なのもセロトニンの違いだそう。ではアジア系アメリカ人はどういう傾向?脳の違いこそ、ダイバーシティを受け入れる利点を裏付けている。
携帯電話のデザインや企業のブランディングなど、多彩な活動を行うアートディレクター・佐藤可士和氏。氏の生み出すアイデアは、時代が求める感覚を的確に掴み、クライアントの躍進を支えている。本書はその氏が、「クリエイティブシンキング(創造的思考法)」について語ったもの。創造的な思考力の高め方、アイデアを生み出す時の勘所などが明らかにされる。
→以前から興味のあった佐藤可士和さんの本。前提を疑う、仮説・極論を相手にぶつける問診力で相手の本意を聞き出す、頭の中の考え・感覚を言語化して書き出す習慣、「要するにxxxみたいなもの」で共有できるイメージがある、誰もが体験したことのありそうな思い出や感情を掘り起こすことで人間の根源的な部分に訴える、コンテンツからコンテクストを作る、外見は内面を分かりやすく伝える行為、などうなづける&活用できるアイデア満載。
「世界の工場」から「世界有数の消費大国」へ――。中国では、経済の成長に伴い富裕層が増え、海外旅行に行く人も急増している。日本にとっては、まさに宝の山だ。中国人富裕層に旅行に来てもらえれば、大きな経済効果が望める。本書では、インターネットを使って効率的に中国人を誘客する方法を、中国の検索エンジン最大手「百度」の駐日首席代表が指南する。
→中国人海外旅行客は2015年で1億人。中国富裕層は20~40代と若く、90%が日本旅行を希望。一番効果的な広報ツールはインターネット(百度のシェア76%)。検索はキーワードでなく、会話文のよう。パンナコッタの中国語を知りたかったとき、パンナコッタ・中国語で検索しても出てこなかったが、台湾人は「Panna cotta怎么说?(パンナコッタは何ていう?)」で検索してた。台湾も同様か。富裕層の日本旅行への期待は「静かなところで癒される」「美味しくヘルシーな日本料理」「レベルの高いサービス」「ショッピング」。ショッピングの支出金額は10万円以上が45%。ヨドバシカメラは銀連カードの売り上げが1ヶ月8000万円。
絶望的に思えた状況を完全にひっくり返す、相手との関係や評判を強化しながら、取引をうまくまとめる…。そんな「交渉の達人」になるにはどうすればよいか。ハーバード・ビジネススクールで交渉術を教える2人の著者が、最新の心理学なども踏まえた基礎理論、そして実践の仕方をわかりやすく解説する。「ハーバード流交渉術」を体系的に学ぶことができる1冊。
→交渉術が具体的。現在実生活で直面している交渉で実際に使ってみる予定!交渉の準備:交渉が行き詰ったときの妥当な選択肢から最善の代替案を引き出す、ブレイクポイント(交渉テーブルから離れるポイント)を計算する、相手の妥当な妥協点を知ることで相手を攻めやすくなる、相手のブレイクポイントも計算、両社が同意する領域を見定める。交渉とはより多くの価値を相手に要求すること。譲歩できる余地も一度に譲歩せず、小出しに。相手への要求は一度に大きく。小さな譲歩でお返しする義務を感じさせる。自分が弱い立場にあることを明かすな、相手のロスや弱みを強調する、などなど。
TOPPOINTライブラリーについては、MY本棚の使い方がちょっと難しい。電子書籍の場合、買った本がMY本棚に並び、まだ買っていない本は「ほしい物リスト」に保存できる仕組みになっているのだけれど・・・。