人生で初めての本格的な貧血の週末。病院に行ってチェックしてもらう以外は家の中で横になって本を読む生活をしていました。で、読んだ本は以下の通り。
「魔女の1ダース―正義と常識に冷や水を浴びせる13章」 米原万里
最近ハマっている米原万里氏の本。この本、お腹を抱えて笑ってしまうほど可笑しくて、笑いが止まらず腹筋が痛くなるくらいでした!この本を読んでる間は貧血の諸症状も忘れてしまうほど。
人によって面白いと感じるものは違うけれど、わたしが笑いが止まらなくなったのは、真剣で堅苦しい日ロ会議の始まりでロシア側のお役人の紹介が始まるあたり・・・。米原氏と一緒に通訳ブースに入っている気分で「一緒になって」爆笑してしまいました。
隣にいるタイガーさんに説明したけれど訳せないもどかしさ。これまた米原さんが伝えようとしていることでもあり、本当に奥が深い。
他にも下ネタジョークもいくつか紹介されていて、それがまた可笑しくて。タイガーさんもジョークを仕入れると披露して笑わせてくれるので、わたしも早速ネタ披露したら喜んでもらえました。笑いがある生活っていいなぁ、ということで、同著者の「必笑小咄のテクニック 」を購入することを心に誓いました。
ちなみにアマゾンの書評によると、著者のおすすめ代表作は「不実な美女か貞淑な醜女(ブス)か」「魔女の1ダース」「打ちのめされるようなすごい本」「オリガ・モリソヴナの反語法」なのだそう。週末「オリガ・モリソヴナの反語法」を読み始めてこれまた力作。こちらは小説なのですが、秀作。というわけでおすすめ代表作はほとんど全部読んでしまった。でもまだ読み足りないので他の作品にも少しずつ手を出していくつもり。
8月に遊びに来てくれるM姉が本の運び屋になってくれるそうでとても楽しみであります!
「元外務省主任分析官・佐田勇の告白: 小説・北方領土交渉」 佐藤優
小説。フィクション。でも佐藤優が佐田勇だったり、鈴木宗男が都築峰男だったり、そのた森田義雄、矢部進太郎など聞き覚えのあるような登場人物がでてくるので、どこまでがフィクションか分からない。というより、概ねノンフィクションかなと思わせる流れ。
この作品は雑誌で連載されていたもののようなので、佐藤氏から外務省や外務省職員などへのメッセージの手段といった様子。好きだったシーンはロシアと日本の某氏が一緒に新聞に寄稿するところ。
ただ同氏の本は複数読むに従い重複するところが多々出てきて読み飽きる傾向があります。新しい発想の新しい内容の本が読みたいと願ってしまいます。
週末同著者の「人間の叡智」を読み始めました。読了していないので感想を書くのは控えたいのですが、この本はわたしとしてはあまりヒットではないかも。どうしてだろう・・・。
わたしが佐藤氏の本の好きな理由は、外交の歴史、読み解き方をつかむことができる点。「人間の叡智」もこれから帝国主義に向かっていく世界について書いているという点では同じ流れだけど、何かが違う気がする。今後、同氏のどの本を読み、どの本をスキップするかを検討中。
「老子の人間学」 守屋 洋
西洋・東洋思想に興味があります。東北のAさんが送ってくださった本「手にとるように東洋思想がわかる本」では中国、日本、インドの思想がわたしのような初心者にも分かりやすく説明してあって良書だと思いました。
その本のなかで中国思想というのは孔子の儒教と老子の道教の2本立てだという説明があったのがとても印象的でした。社会で上昇志向のときは儒教、戦いに敗れて世間を離れて暮らしていくときは道教、その絶妙なバランスがあるという話でした。
以前サンディエゴに住んでいたSt. Croix(セント・クロイ)出身の自由少年Eも「世の中いろんな宗教があるけれど、自分が一番共感できるのは道教」と話していたなぁと思い出し、道教を知る本を開いてみようと思った次第です。ちなみにSt. Croixはカリブに浮かぶ旧オランダ領、現アメリカ・ヴァージン諸島。
この本も読書真っ只中ですが、非常に読みやすいです。原書、日本語訳、解説が分かりやすく記載されています。