更新を見逃さないためにこちらから購読 Apple Podcasts | Google Podcasts | RSS
前回はアサーティブなコミュニケーションのための2つのテクニックについて教えていただきました。まだ読んでいないかたはぜひチェックしてみてくださいね。2回目の今回は「怒り」という感情と、アンガーマネジメントでビジネスが好転した例についてお伺いしました。
ゲストは前回に引き続き、アメリカ在住30年97以上、夫婦でビジネス経営をされる傍らで「イライラしない上手なコミュニケーション術」をより多くの人に知ってもらいたいと活動されている葛西祥子さんです。
ゲスト:葛西祥子さん
「怒り」という感情を上手に管理するためのアンガーマネジメント
最近ニュースになっている「あおり運転」や残虐なニュースは「怒り」が根本にあるものが多いですよね。いかにアサーティブなコミュニケーションを習得したとしても、怒りという感情をコントロールできなければアサーティブにはなれないことに気づいた葛西祥子さんは、「アサーティブ」と「アンガーマネジメント」を組み合わせたコミュニケーション術を提唱されています。
「アンガーマネジメント」とは怒りをきちんと理解してうまく付き合っていく方法のことです。アンガーマネジメントというのは怒りを抑えることだと誤解をされがちなのですが、実はそうではないのだそう。むしろ怒りという感情は人間が生きていくうえで必要な感情で、怒りがあるからこそ自分や家族を守ったり、正しい行動が起こせたりするのです。
このように怒り方を見直して怒りをプラスのエネルギーに変えて自己成長や周囲にいい影響を与えること、怒っていいことと悪いことを上手に見極めて、ムダな怒りは時間とエネルギーのムダになるから怒らなくていいんだなと気づけること、このように怒りというものを深く見ていくのがアンガーマネジメントという学問なのだそうです。
怒りを「抑える」ことと「コントロールする」ことの違い
怒りを「抑える」ことと「コントロールする」ことの違いについて、怒りを「真っ赤に燃える石炭」に例えて説明してもらいました。
怒りを「抑える」:
真っ赤に燃えている石炭を自分の胸の中にぐっと入れる状態。溜めている自分がとても苦しい状態。ぐっと入れていても何かの拍子で爆発して出てきてしまう。飛び散るので相手も傷つけてしまう。
怒りを「コントロールする」:
真っ赤に燃えている石炭が自分の胸には入ったけれど、そこに霧吹きで水をシュッシュッとかけて炎を消してしまう。燃えていたという事実としては残るが真っ赤に燃えた炎の状態は消える。だから胸に秘めていても自分を傷つけないし、外に出すときも他人も傷つけない。
このように怒りを抑えることとコントロールすることは全く違うのですね。
自分の怒りのパターンと、その奥に隠れた真の感情
アンガーマネジメントでもう一つ注目したい点は、「わたしはいつもこんなときに怒るんだ」と自分の怒りのポイントとパターンを知ることなのだそう。例えば、お金の話題が出たら怒る、子どもに口答えをされたときに怒る、上司に嫌味を言われたときに怒る、など。
自分の怒りのトリガー(怒らせるきっかけ)が見えてきて、そのときに自分がどういう行動に出ているか(パターン)を探っていくと、そもそも自分はなぜ怒っているのか、どういう考え方をしているから怒りにつながっているんだろうという、怒りの奥に隠れている別の感情に気づけるようになります。その感情とはさみしさだったり、不安だったりして、でもそれに気づきたくない、気づかれたくないから怒ってしまっているという構造になっているそうです。
このように怒りの原因を知ることで、不安を解消する方法、寂しさを解消する方法などの対策を立てられるようになります。このように、自分と向き合って分析し、自分の深いところを知り、それを行動によって変えていくという行動療法で、これを繰り返すことでアンガーマネジメントが身についていくそうです。
アンガーマネジメントで他人の怒りを解く方法
アンガーマネジメントが理解できるようになると、「どうして上司は怒っているんだろう」「どうしてお父さんは怒っているんだろう」と相手の怒りについても、その裏に隠れた「不安」「恥ずかしさ」「さみしさ」などの真の感情が見えるようになります。これが分かればしめたもので、この感情を解消してあげれば怒りを解くことができるようになります。
怒っている上司や父親の立場からしても、ただただ謝罪されるよりも、奥に隠れた真の根本的原因が解決されたほうが怒りは収まるわけです。このようにアンガーマネジメントができるようになると、自分の怒りだけではなく相手の怒りも分かるようになってきます。
アンガーマネジメントでビジネスを成功につなげたお寿司屋さんの例
葛西さんにアンガーマネジメントでビジネスを成功につなげたお寿司屋さんの例を教えていただきました。
このお寿司屋さんを経営している40代くらいの男性は怒りん坊だったそうです。一生懸命頑張ってるからこそ怒ってしまうのだけれど、従業員に怒鳴り散らすし物は投げるし蹴とばすしと、怒るとどうしようもなくなってしまう状態だったそうです。だからビジネスはうまくいかない。そこで葛西さんのところに相談に来られたそうです。
葛西さんとのセッションを繰り返し、次にどのようなことが起きそうかを予想し、そうならないように対策を練って・・ということを繰り返した結果、今では完璧にアンガーマネジメントをマスターし自分の怒りとしっかり向き合うことができるようになりました。
その結果、従業員がまったく辞めなくなり、お見せも繁盛して2軒目をオープンしてどちらも繁盛している状態に持っていくことができたそうです。怒りと上手につきあうことで人生が大きく変わるということを目の当たりにして喜ばれているそうです。
いかがでしたか?次回の第3回ではアサーティブをグローバルビジネスに活かして成功した東京大田区の町工場のストーリーや、ピンチのときに使えるコミュニケーション術について教えていただきました。お楽しみに。自分らしく夢を叶えるメルマガでは元気の出て役立つコンテンツをお届けしています。自分らしく夢を叶えるために動き出している仲間に加わってくださいね👇