渡米後初となる、講演会への参加。
ちなみに学内のイベントはこちらのサイトでチェックしています。
今回のお話のテーマは
「科学と宗教の戦い:なぜダーウィンが重要なのか?」
驚くことに、アメリカ人の50%がダーウィンの進化論を信じていません。
ダーウィンの進化論は、人類の歴史の中でも
最も発見のひとつとも言われているにもかかわらず。
なぜ?その理由はご存じのとおり、宗教的理由(キリスト教)、つまり
人類は神の創造によりもたらされてたものであり、サルが進化したはずはない
というようなことですね。
また、政治的理由も関わっているそうです。
講師のMichael Shermerは、科学者で、著書もあり
SKEPTICという科学雑誌の創始者でもあり
大議論になりかねないようなネタを取り上げています。
この日も会場はいっぱい。600人の観衆を集めていました。
科学雑誌「SKEPTIC」と、講師。
雑誌では9/11は陰謀だったとか、地球温暖化は本当か、という
議論がされています。
科学者の話というと、概して難しくて面白くないというイメージがありますが
大爆笑のジョークあり、面白いパワーポイントや動画ありでした。
(もちろん、難しい専門用語はちんぷんかんぷんでしたが)
Intelligent design(ID)、つまり、自然界に存在する
あらゆるものの形があまりに美しく、またよくできている。
偶然に出てくるはずがない。だからこれは、超自然の力によって
形作られたものに違いない、という考えもあります。
彼が話したことをすべて書けませんが、印象に残ったポイントだけ。
科学は、実験によって検証できるものを取り扱う。
進化論を信じたくない?まぁ、チンパンジーの親戚と思うよりかは
神から創られたものと思いたい気持ちはわかる(笑)
IDは、”トップダウン”ではなく、”ボトムアップ”。
進化の過程で必要だったから、変化が生まれた。
世の中の言語も、誰かがデザインしてできた(トップダウン)ではなくて
下から組みあがってきたもの(ボトムアップ)。
「神の見えざる手」ということばで唱えたアダムスミスの経済論も、ボトムアップだ。
もし仮に、誰かがデザインしたのであれば、そのデザイナーは
誰がデザインしたのか?
宇宙には、何十億もの生命体が存在するおびただしい数の星が、そして惑星が存在し
それぞれは何万光年も離れている。
この宇宙システムのすべてが、たったひとつの惑星の
たったひとつの生命体(人類)のためにデザインされていると考えるなんて
ばかげている。(←講師がそう言った)
ダーウィンは重要である、なぜなら進化論が重要だからである。
進化論は重要である、なぜなら科学が重要だからである。
科学は重要である、なぜなら、それはわれわれが何者で、
どこから来て、どこへ向かっていくのかという現代のストーリーを物語るからである。
ところで、日本で買ってきたSONYステレオICレコーダー2GBの
デビュー日でもありました。
ICD-SX800 SONYステレオICレコーダー(2GB)
これが高音質!ノイズがまったくない。
聞いていて心地いい、というのは大切なことですね。
後日、Science専攻の4年生Amandaに知り合ったので、聞いてみました。
Amandaも、進化論を信じない人がたくさんいることに驚いているそうです。
人類が月に到着したというのを信じない人もいるとか。
(これについてはまだ議論の余地もあるかもしれませんが)
Amandaによると、UCSDのScience専攻の学生の中にも
クリスチャンが普通にいるそうです。
そしてScienceを職業にしている人の中にも、クリスチャンがいる。
彼らはどうしているかというと、自分のプライベートライフ(宗教)と
研究や仕事(サイエンス)に線を引いて、別個に考えているのだそう。
ちなみにAmandaは、特に信じている宗教はなく
人(友達や家族)を信じているそうです。
一つ思うことは、自由の国アメリカとはいえども
この手の講演会が開かれるほど自由な場所は、ある程度限られてくるかも。
ここカリフォルニアだから、UCSDだから成り立つんじゃないかと思いました。
講演会の後の質問タイムも、積極的に質問をする人がたくさんいて
とてもいい時間でした。